
近年、失った歯を取り戻す方法として、インプラント治療が注目されています。当院では、世界的に実績のあるストローマン社をはじめとする信頼性の高いインプラントを採用しており、必要に応じて骨造成(GBR)や静脈内鎮静法も行っています。
この記事では、インプラント治療の基礎知識から治療の流れまで詳しく解説します。
インプラントとは
インプラントは、失った歯の代わりに人工の歯根を顎の骨に埋め込み、その上に人工の歯を装着する治療法です。歯を失った部分に人工の歯根を埋め込むことで、入れ歯やブリッジとは異なり、本来の歯に近い機能と見た目を取り戻すことができます。
当院で取り扱っている主なインプラントの種類
ストローマン
世界最大のインプラントメーカーです。生体になじみやすく、優れた安定性が特徴で、豊富な臨床データに基づいた信頼性の高いインプラントです。
ノーベルバイオケア
インプラント治療の先駆けとなった企業です。精密な治療計画ができる最新のデジタルシステムを採用しています。
ジンヴィ
旧ジンマー・バイオメット・デンタルとして知られる老舗メーカーです。特殊な表面処理技術により、骨との結合が早く、治療期間の短縮が期待できます。
アストラテック
独自の形状と表面処理により、長期的な安定性に優れています。とくにアストラテックは、審美性が求められる前歯部のインプラント治療に適しています。
インプラント治療で重要な骨造成
インプラントは顎の骨に人工の歯根を埋め込む治療ですが、骨の量が少ない場合は骨造成が必要です。骨造成とは、人工の骨を補填して骨の量を増やす治療法で「サイナスリフト」と「ソケットリフト」の2種類があります。
サイナスリフトは、上顎の奥歯部分の骨が薄く、インプラントを埋め込むと貫通してしまう場合に行います。上顎の空洞を持ち上げて人工骨を入れ、インプラントに必要な骨の量を確保します。
抜歯直後にはソケットリフトも可能です。抜歯後の窪みに人工骨を入れることで、将来のインプラント治療に備えることができます。
こんな方におすすめ

虫歯や歯周病などで歯を失ってしまった方、入れ歯やブリッジ治療は避けたい方に適した治療法です。歯を失った際、インプラント以外にも入れ歯やブリッジ治療という選択肢もありますが、入れ歯は装着時の違和感や外れやすさ、ブリッジは健康な周りの歯を削る必要があるなど、それぞれに課題があり、避けたいと考えている方は少なくありません。
その点インプラントは、人工の歯根を顎の骨に埋め込むため、装着感は天然歯に近く、周囲の歯を傷つけることもありません。また、しっかりと固定されているため、食事の際の不安も少なく、長期的な使用も可能です。そのため、若い方や人前で話す機会の多い方、食事を楽しみたい方など、より自然な歯を取り戻したい方に選ばれています。
インプラント治療のメリット
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Merit01
自然な噛み心地
人工の歯根を埋め込むため、本来の歯に近い感覚で食事を楽しむことができます。入れ歯特有の違和感もなく、強く噛んでも問題ありません。食事の際も硬いものや粘り気のある食べ物も安心して食べられます。また、見た目も天然歯に近く、口を大きく開けて笑っても違和感がないのも特徴です。
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Merit02
周囲の歯を傷つけない
ブリッジと異なり、周囲の健康な歯を削る必要がないため、残っている歯をそのまま健康な状態で維持できます。また、隣接する歯に負担をかけることもないため、将来的な歯のトラブルを防ぐことができます。
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Merit03
長期的な安定性
インプラントは適切に管理することで、10年以上の長期使用が可能です。定期的なメンテナンスを行うことで、さらに長期にわたって使えることも期待できます。
インプラント治療のデメリット
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治療期間が長い
通常、治療完了までに3~6ヶ月程度かかります。骨造成が必要な場合は、さらに期間が延びることがあります。
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Demerit02
外科的な処置が必要
顎の骨に人工の歯根を埋め込む手術が必要です。骨の状態によっては骨造成術も必要になることがあります。当院では必要に応じて静脈内鎮静法も併用し、できるだけ負担の少ない治療を心がけています。
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Demerit03
費用の負担
自費診療となるため、比較的高額な治療費が必要です。また、複数本のインプラント治療が必要な場合は、それに応じて費用も増加します。
インプラント治療の流れ
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Step.01
初回カウンセリング
治療内容や費用、期間について詳しく説明します。また、患者さんの希望やお悩みをお聞きし、最適な治療計画を検討します。
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Step.02
検査・診断
レントゲンやCT撮影で顎の骨の状態を確認します。歯周病検査や噛み合わせの確認も行い、全身の健康状態もチェックします。検査結果をもとに、具体的な治療計画を説明します。
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Step.03
インプラント埋入手術
局所麻酔を行い、顎の骨にインプラント(人工歯根)を埋め込みます。骨の状態によっては、骨造成術を同時に行うこともあります。手術後2週間程度で抜糸を行い、必要に応じて仮歯を装着します。
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Step.04
骨との結合期間
インプラントと骨が強固に結合するまで、2~3ヶ月程度の治癒期間を設けます。この期間中は、強く噛みすぎないよう注意が必要です。違和感や痛みがある場合は、早めにご相談ください。
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Step.05
完成品の装着
オーダーメイドのトレーで型取りをし、完成したセラミックを合わせていきます。丁寧に噛み合わせの調整を行い、見た目や使用感に問題がないか、しっかりと確認します。
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Step.06
メンテナンス
治療終了後は定期的な検診でインプラントの状態を確認し、必要に応じてクリーニングを行います。適切なケアにより、長期的な使用が可能となります。