
虫歯や歯周病などの口の病気は、適切な予防で回避できます。定期的な歯科検診やクリーニング、正しい歯磨き習慣を身につけることで、健康な歯を保ち、快適な生活を送ることができるのです。この記事では、歯のクリーニングや予防歯科について詳しく解説します。
歯のクリーニング・予防歯科とは
予防歯科とは、虫歯や歯周病などを未然に防ぎ、健康な歯を保つための歯科医療です。定期的な健診で口腔内の異常を早く発見し、専門的な歯のクリーニングで歯に付着した汚れを取り除きます。また、正しい歯磨きの方法をアドバイスすることで、口腔の健康を保ちやすくします。
予防歯科で行うこと
定期健診
定期健診では、虫歯や歯周病の早期発見を目指します。歯科医師が口腔内を検査し、必要に応じてレントゲン撮影も行います。早めに小さな変化を見つけることで、症状が悪化する前に対処が可能です。
歯のクリーニング
歯科医師や歯科衛生士が専用の器具を使って、歯の表面に付着した汚れや歯石などを取り除きます。通常の歯磨きでは取り切れない部分も清掃できるため、虫歯や歯周病の予防に効果的です。
歯石を除去する基本的なクリーニング(スケーリング)は保険診療内で受けられます。ただし、さらに徹底的な清掃を希望する場合は、特殊な器具や薬剤を使用して細かな汚れまで除去し、歯面を磨き上げるPMTCを受けることも可能です。その場合は、自費診療となります。
ブラッシング指導
歯の検査やクリーニングが終了したら、効果的な歯磨きの方法や歯間ブラシ、デンタルフロスの使い方など、自宅での手入れ方法を説明します。口腔の状態や歯並び、生活習慣に合わせて、最適なケア方法を提案します。
こんな方におすすめ
歯磨きの時に出血がある方や歯石が気になる方は、歯周病の初期症状の可能性があるため、早めの予防処置をおすすめします。口臭が気になる方も、専門的なクリーニングで改善が期待できるので、歯科を受診してみるとよいです。特に、歯周病の家族歴がある方や喫煙習慣のある方、糖尿病などの全身疾患がある方は、歯周病のリスクが高まるため、定期的なケアが重要となるため一度受診して検査を受けてみてください。
歯のクリーニングの頻度について
一般的に1~6ヶ月に1回の定期健診とクリーニングを推奨しています。推奨される頻度は個人で変わってくるため、歯周病のリスクが高い方や口腔内の状態が悪い方ほど頻繁なケアが必要になります。
歯のクリーニング・予防歯科のメリット
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虫歯・歯周病の予防
専門的なクリーニングで歯垢や歯石を除去することで、虫歯や歯周病のリスクを大きく減らせます。歯ブラシだけでは取り除けない歯と歯の間や歯周ポケット内の汚れまでしっかりと清掃できるため、予防効果は高くなります。
また、定期的な検査により、肉眼では確認できない初期の虫歯や自覚症状が出る前の歯周病を発見できます。早期発見によって、大きな治療を必要とせずに済む可能性が高まります。
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口臭予防・審美性の向上
予防歯科の一環として行われる歯のクリーニングでは、歯周ポケット内の細菌や歯石など、口臭の原因となる汚れを取り除きます。コーヒーやタバコによる歯の着色も落とすことができるため、歯本来の白さを取り戻せます。
また、歯面を滑らかに研磨することで、新しい汚れが付きにくい状態を作ることができるため、清潔な状態を長く維持できます。
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全身の健康維持
口腔内の健康は、全身の健康と密接に関係していることが分かっています。たとえば、歯周病菌が口腔内で広がると、血流に入り込み、全身に広がることでさまざまな病気のリスクが高まる可能性があります。そのため、予防歯科で口腔内の健康を保つことは、体全体の健康維持につながるわけです。
歯のクリーニング・予防歯科のデメリット
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時間的な負担
定期的な通院が必要なため、仕事や生活の予定を調整する必要があります。また、クリーニングには30分から1時間程度かかります。
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経済的な負担
基本的なクリーニングは保険が適用されますが、PMTCなどの専門的なクリーニングは原則、自費診療となります。また、定期的な通院にかかる費用も考慮が必要です。
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処置中の不快感
クリーニング中に多少の不快感を抱く場合があります。特に歯石除去の際に痛みを感じる場合もありますが、一時的なものであるため問題ありません。
予防歯科の流れ
予防歯科は以下の手順で進めていきます。
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Step.01
口腔内の検査
レントゲン撮影や歯周ポケットの測定などを行います。
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Step.02
歯のクリーニング
検査結果に基づいて適切なクリーニングを実施。状態や希望に応じて、PMTCの選択も可能です。
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Step.03
歯面の研磨
専用のペーストと機器で歯面を滑らかに仕上げ、汚れが付きにくい状態にします。
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Step.04
フッ素塗布
必要に応じてフッ素を塗布。虫歯予防に効果的で、安全性も確認されています。
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Step.05
ブラッシング指導
最後に正しい歯磨きの仕方や、デンタルケア用品の使い方をアドバイスします。